みなさんどうもこんにちは、テニス大好き、【ラム】です。
まず、今までのフェデラーの全豪オープンの試合の記事のリンクを貼っておきます。
【全豪オープン2020】フェデラー、絶好調で難なく初戦を突破! vsジョンソン 6-3,6-2,6-2
【全豪オープン2020】優勝するつもり!?フェデラー絶好調で2回戦突破! vsクライノビッチ 6-1,6-4,6-1
【全豪オープン2020】フェデラーミルマンと大激闘の末、危機一髪! vsミルマン 4-6,7-6,6-4,4-6,7-6
【全豪オープン2020】ホッと一安心、フェデラーがフクソービッチを一蹴! 4-6,6-1,6-2,6-2
7
この数字は一体何?
そうです、しのいだマッチポイントの数です。
一体誰がこんな試合展開になることを予想したでしょう。
第1セットをフェデラーが6-3で取った時、この試合は普通に行けるだろうと多くの方が思ったはずです。
第2,3セットをフェデラーが2-6,2-6で落とした時、誰もがフェデラーの負けを確信したはずです。
精神的に余裕がなかったのでしょう、フェデラーらしくない暴言を吐き、バイオレーションを取られた場面もありました。
身体的に余裕がなかったのでしょう、メディカルタイムアウトを取る場面もありました。
正に身も心もボロボロになった状態で、それでも最後まで諦めない、果てなき大激闘でした。
本当に週刊少年ジャンプに掲載できる様な笑
試合を生でみていた方も、スコアで追っていた方も、皆等しくフェデラーの負けを意識したと思います。
ミルマン戦でも思いましたよね笑
私も観ていて心臓が止まる思いでした。
「うわぁ、フェデラー負けるのか、ジョコビッチとやれないのか。」
「しかもサンドグレン相手に。」
「これは完全にノーマークだった。。。」
サンドグレンには大変失礼な話ですが、こう思ってしまっていたのも事実です。
さて、前置きが大変長くなりましたが、いつも通り書いていきます。

サングレン選手ってどんな選手?
デニース・サンドグレン選手は、アメリカ出身の身長188cmの28歳
現在世界ランク100位自己最高は41位の選手です。
フェデラーとは初対戦なのですが、この点を私はかなりポジティブ要素として捉えていました。
というのも、フェデラーは結構初見キラーな部分があって、フェデラーと初めて試合する選手たちは皆口を揃えて「フェデラーは速すぎる」といって散っていくのが常だったからです。
だから、試合開始前、私も高を括って、フェデラーが勝つのは前提の話で、「体力だけは削られないでくれよ」と思っていたのですが。。。
試合が始まったらこの有様です笑
とにかく、本当によくぞ勝ってくれました。
どうやって勝ったかもはやよくわかりません笑
ファイナルセットでは、今までのことがなかったかの様な普通の試合になっていました。
フェデラー自身も試合後のインタビューで、もう何が何だか覚えていないといった旨の発言をしていました。
凌いだマッチポイントの数はなんと7つ。
素晴らしすぎます。
やり遂げたことが凄まじすぎて、私の記事の言っていることが、さっきからずっと「スゴイ」といったことしか言えてません笑
語彙力の欠如、、、、
満身創痍のフェデラー、それでも勝ちは諦めない;6-3,2-6,2-6,7-6(8),6-3
この激闘のスタッツを見てみましょう。
左側がサンドグレン、右側がフェデラーです。
27 | エース | 5 |
5 | ダブルフォルト | 3 |
65% | ファースト サーブ率 | 65% |
79% | ファースト サーブ得点率 | 71% |
50% | セカンドサーブ得点率 | 55% |
4/14
|
ブレイク ポイント
|
2/13
|
0 | タイブレイク勝利数 | 1 |
60 | リターンゲーム得点数 | 49 |
161 | ポイント | 160 |
24 | ゲーム獲得数 | 23 |
5 | 連続獲得ゲーム数 | 3 |
5 | 連続獲得ポイント数 | 6 |
101 | サービス ポイント率 | 111 |
20 | サービスゲーム獲得数 | 20 |
エースの本数も総合ポイント獲得数も獲得ゲーム数も、勝利に必要な項目全てをサンドグレンよりも劣っています。
特にエースの数がサンドグレン27本に対してフェデラーたったの5本。
フェデラーのストロークがいかに冴えていなかったかがわかるでしょう。
最も、サンドグレンのプレー、フットワークが良かったのも確かです。
しっかりと走って、良い打ち合いをしていました。
プレースタイルはミルマンとかぶるところがありましたね。
しっかりと動いて攻めるラリーで粘る。
軽い攻めで相手の動きを封じつつ、隙を作らせて一気に叩く。
なんだか新時代のテニススタイルを見ている様な気持ちになりました。
まるでボクシングの様。
隙を見つけるのでなく、隙を作らせる。
そんなテニスを私もしていこうと思います。
具体的な試合の流れ
第1セットからサングレンは強かった。
100位の選手の実力では全くございません。
本当に男子テニス界は層が厚いですね。
下位選手たちは皆、パフォーマンスを常に出し続けることができないだけで、瞬間最大風速はbig3と遜色のないプレーができるものです。
だから彼らは、GSなどの大舞台で、その瞬間最大風速を吹かせることができる様にと願って試合に入るのですが(所謂博打に近いですね)、今回のサンドグレンは、まさにその瞬間最大風速を引き当てました。
しかも、フェデラーは“38歳のおじさん状態”です。
またとないチャンスでした。
サンドグレンは、“ロジャーフェデラー”と“38歳おじさん”のちょうど間あたりの実力でした。
と言っても。ほとんどのトップ選手がその間の実力なのですが、、、
第1セットをほどほどに労せず取れたフェデラー。
第2セットからフェデラーの様子がおかしくなります。
イージーミスが目立ち始める。
特にバックのライジングは簡単にネットにかける様になりました。
さらに第3セット第3ゲームでは、ブレイクポイントを3つ握った状態から思う様にポイントを取れず、暴言を吐き警告を取られる場面もありました。
フェデラーが暴言で警告を取られるなんて滅多にありません。
というか、私は初めて見ました。
しかも、この警告の取られ方が新しくて、コート後ろの線審の前で暴言を吐いたらしいのですが、それを聞いた線審がわざわざ主審の元まで行き、暴言を吐いたと報告する風紀委員っぷり笑
線審の方はサンドグレンのファンだったのでしょうか?
なんでも、フェデラーはバレない様にドイツ語で暴言を言ったそうなのですが、その線審がドイツ語に明るかったというまさかな展開に笑
主審から警告を受けたフェデラーは、線審に事実確認のため話しかけに歩いていくのですが、その姿がもう威圧感半端なくて(フェデラー本人はそんなつもりは微塵もないと思うのですが)こわいこわい笑


結局この後、フェデラーはブレークポイントを活かせず、ゲームを落としてしまいます。
そして直後、メディカルタイムアウトを要求。
股関節の治療の為、10分間コートを後にしました。
さらに帰ってきてからは、なんとも精彩の欠いたプレーの連続。
サーブはなんと140km代、フットワークも悪くなり、フォアハンドの威力もどんどん弱々しくなっていきました。
負けるときの兆候であるボレーの安直なミスもちょこちょこどころじゃないレベルで見られました。
この段階で、フェデラーが勝つと予想できる方はおそらくいないでしょう。
もしいるとすれば、それは今までフェデラーの試合を見られたことのない人か、なんでも信じることのできる小学校低学年くらいの子供のどちらかです。
そんな感じのフェデラーでしたが、第4セット、タイムアウトの効果が出たのか、徐々に動きが良くなり、キープ合戦まで持っていくことができました。
しかし4-5で3本のマッチポイントが発生。
これをしのぎ、タイブレークにもつれ込んだのですが、ここでも4本のマッチポイントをサンドグレンに握られます。
が、辛くもサンドグレンのミスによって全てをセーブできました。
ここに、フェデラーのマッチポイントを凌いだポイントだけが載っている動画があるので是非ご覧ください。
全てサンドグレンのアンフォースドエラーです。
フェデラーはリスクを犯していません。
サンドグレンが硬くなり、フェデラーのミスを待ってしまった。
その結果、フェデラーはそこそこで繋いでいるだけで良くなり、攻められない様に強い球を打ったり、コースを狙うリスクを負う必要がなくなった結果ミスをしなかった。
ここにサンドグレンの最大の敗因があり、かつ、これだけのファイターであるサンドグレンが100位に甘んじている訳でもあると思うのです。
そして迎えたファイナルセット。
フェデラーはいつの間にか調子を取り戻し、2,3,4セットが嘘かの様ないつも通りのロジャーフェデラーが帰ってきました。
フェデラーの調子は仮想通貨と同じかと、スゴイ変動するやんかと笑
思った次第であります。
まぁ仮想通貨、やったことないんですけどね。
フェデラーがなぜ7度もマッチポイントを凌げたのか。特別なメンタル?それとも運?運です。
今回のフェデラーがマッチポイントを凌ぎ切って劇的に勝利したことに対して、
「これがロジャーフェデラーだ!!」「フェデラーだからできるんだ!!」「やっぱりメンタルが違う!!」
こう言っている方が多く見受けられましたが、
私はそうとは思いません。
確かにメンタルは常人よりかははるかに強いでしょうが、フェデラーが行なったマッチポイント7本全て、ただそこそこの強さで返していただけです。
スライスを織り交ぜたりはしていましたが、ナダルやジョコビッチなら打ち込む様なハードヒットは一本もしませんでした。
つまり、マッチポイントをしのいだのではなく、凌がせてもらったと言った方が良いと私は思います。
(ものすごく辛辣で嫌味なことを書いているのは承知しております。念の為言わせていただくと、私は『フェデラー速報』という名前でブログを立てるほど、フェデラーのことが大好きです。これは完全に私個人の見解ですので、読んでて気分を害する方はさらっと読み流しちゃってください。)
もし万が一、フェデラーが特別な人間ならば、2018年のウィンブルドンでアンダーソンに2セットアップでマッチポイントを握った状態からの世紀の大逆転負けなどかましませんし、
昨年2019年ウィンブルドンでの忌まわしき2本のマッチポイントをジョコビッチ相手に置きにいって攻めきれずに結局チキって落とすなどということはしない訳です。
何が言いたいかというと、今回のこれはつまり、ただの運です。
フェデラーがマッチポイントを取りきれずに負けることがあるならば、その逆が起こっても不思議ではありません。
相手がもう少し強心臓の持ち主(例えばチチパス、メドベーデフ、ナダル、ジョコビッチ、ティエムあたり)だと、余裕で取りきられていた所を、
偶々ランキング100位の選手が相手で、その選手がとても調子が良くて、追い詰めるだけ追い詰めたものの、最後の最後でチキってしまう様なメンタルの選手で、ミスを犯して倒しきることができなかった。
それだけの話です。
「フェデラー大したことないね」ということが言いたいのではなくて、そんなにフェデラーを持ち上げる必要はないのではないかということが言いたい訳なのです。
まとめ
そうは言いましたが、しかし今年のフェデラーは、今の所、特に土壇場に強いということが言えると思います、。
スコアから言っても完全にそうですし、負けそうなのに結局勝つ。
タイブレークに入ってしまえばもう安心。
やっていることは15年前のフェデラーの全盛期と同じです笑
結局勝ちきるんかこの人はみたいな。
もしかすると、去年のウィンブルドン敗退を機に、本気でメンタル改善に取り組んでいるのかもしれません。
『ブレークポイントを取りきれない』というところにも課題を置いて、しっかり取りきれる様に練習しているのかも。
だから第3セット、ブレークポイントを取りきれなかった時にあんな暴言を吐いたりしたのかもしれませんね。
課題だったブレークポイントを取りきることができずに本気で悔しくて。
フェデラーのメンタルが強くなったか否かは嫌が応にも明後日わかるでしょう。
メンタルの本当の化け物とはこの人のことです。
ラオニッチを一蹴して上がってきたジョコビッチ。
試合を見ましたが、まさに盤石のプレーでした。
スキがありません。
しかし、思えばフェデラーは2017年、半年ぶりにテニス界に帰ってきて全豪オープンに出場した際、「ジョコビッチを倒すために鍛えてきた」と言ってネオバックハンドを披露しました。
その時はジョコビッチが途中で負けてしまい実現しなかった対決ですが、3年越しに、ついに全豪オープンでフェデラーVSジョコビッチの戦いを見ることができます!
体力的にかなり不利な面はありますが、私はもう正直、どっちが勝っても良いと心から思っています。
期待していません。
むしろ、ウィンブルドンみたいに勝てるチャンスを目前で失ってしまうみたいなことになるくらいなら、
2016年で戦った時の様に50分で2セット取られてしまうみたいな感じでボコボコにされた方がまだ気持ちよく「お疲れ様」が言える気がします笑
せっかくフェデラーが不死鳥のごとく勝ち残ったのに色々と辛辣なことを書いてしまって申し訳ないですが、ただただジョコビッチ戦を楽しみにしましょう!!
ここまで読んでくださってありがとうございました!
また次の記事でお会いしましょう!!
fin.