〜はじめに〜
photo credit: mirsasha 2017 Laver Cup: Match 12 via photopin (license)
※特に、まとめの章にサラッとでも良いので目を通していただきたいです!
テニスのマインドセットについて熱く書いています!
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1、試合内容振り返り:激しいセンスのぶつかり合い
6-7(5-7),7-5,10-7
それでは試合の内容を振り返っていきましょう。
結果は、6-7(5-7),7-5,10-7でフェデラーの勝利に終わりました。
この試合を一言で表現すると、
まさに“センスとセンスとぶつかり合い”
あんな高速テニスはATP屈指の攻撃力、速さをもつフェデラー、キリオスでないとできない芸当です。
レーバーカップ開幕以来、毎年やって、もはや恒例となりつつあるこの二人の激闘ですが、レーバカップの中で、観ていて一番面白い試合をするのは間違いなくこの、フェデラーVSキリオス戦ですね。
私は、このふたりが現役プロの中で最も才能(ずば抜けた感覚、センス)のある選手だと思っています。
2017年のレーバーカップでの対戦も白熱しておりました。
この年の、試合を制して勝った時のフェデラーの喜びようったらなかったですし、キリオスは悔しくて泣いていましたし笑
ナダルはあまりの嬉しさのあまりフェデラーの“飛びつきに”いっていましたし笑笑
昨年2018年は割とあっさり目にフェデラーが勝ちましたが、今回は、再び激闘となりました。
この二人の試合はどうしてこうも毎回盛り上が理、激戦ばかりになるのか不思議です。
いつもタイブレかそれに近いスコアばかりですし。
当たる度にタイブレをやっており、今回も例に漏れずといった感じでした。
今回の試合は、
試合展開としては全体を通して普通にキリオスが勝ちそうなのに、勝負処でキリオスが少し落ち、フェデラーが上回る。
そんな感じでした。
まるで今年のウィンブルドン決勝のジョコビッチみたいな集中の上げ方を勝負処でフェデラーがしているような、いな、それよりも勝負処でキリオスのプレーの質が落ちているイメージを持ちました。
「舐めプ」では流石にないでしょうが、勝負ところで「余裕だぜ」的なところを見せようとするのか、明らかにプレーの気が抜けますよねキリオスって。
そこが弱点であり、キリオスの憎めなさでもありますが笑
個人的にはキリオスは錦織よりはるかにテニスに関して才能を持った選手だと思っています。
錦織とフェデラーの試合も大抵が白熱しますが、フェデラーとキリオスの試合がタイブレークばかりで、錦織との試合以上に白熱するのは、キリオスが錦織よりもセンスがあるからかなと思うと妙に合点が行きます。
「だからフェデラーとキリオスの試合はより高次元なセンスのぶつかり合いのおかげで余計に面白く見えるのかー」と。
このキリオス、才能が天下一品なのは分かっているから、天賦の才を授かったからにはもっと真面目にプロテニス界のてっぺんを取りに行って欲しいものですね。
いつかテニスにひたむきになって、世界ランク1位をとって涙するキリオスを見れることを楽しみにしています。
2、まとめ:気を抜かないようにしよう、マッチポイントでもリスクを取ると“決める”。
今回の試合から分かることは、“テニスは最後の1ポイントまで気を抜かない”こと。
という何とも月並みな言葉で終わってしまいます汗
しかし、使い古されたこの言葉も、本当の意味で実践できている人はいったい何人いるでしょうか。
気を抜かないということは、攻め続けるということです。
守りに入って、つなぎにいって、相手のミスを願う「博打テニス」は、相手のテニスに依存している、つまり自分主体ではない、つまり、気を抜いているのです。
気を抜かない=リスクをとって攻める=自分主体のテニスをする
これは本当に大切なことで、フェデラーなんて今のキャリアになって尚、何度マッチポイントからの逆転負けをしていることか。
記憶に新しい所では、私たちの悪夢である、あの2019のジョコビッチとのウィンブルドン決勝。
去年のウィンブルドンのアンダーソン戦もそうでした。
フェデラーほどの歴戦の覇者でも、マッチポイントでは尻込みしてしまうのです。
(特に最近のフェデラーはこの点が顕著に見られていますが。ブレークポイントでも繋げるだけになるのがほとんどです。)
そして、他の選手たちも往往にしてマッチポイントになると、消極的になってしまいます。
もちろんトップレベルでの消極さなので、私たちからしたら十分攻撃的なのでありますが、彼ら基準でいうと間違いなく消極的です。
ジョコビッチ、ナダルを除いてフェデラーを含むほとんどの選手が、マッチポイントをはじめとするチャンスの場面では、ほとんど攻めずにリスクを追わないラリーに終始して、相手のミスを待ってしまっています。
これでは相手に試合を投げている、博打をしているのと同じです。
しかもこのリスクを追わないというのは危険な行為で、リスクを追わないことに思わぬリスクが付きまといます。
それは、対戦相手が後1ポイントで負けるという崖っぷちの窮地に立たされており、後のない状況であるということ。
開き直らせないためにも、リスクをおって叩いた方が倒しやすいはずなのですが、此処一番で気持ち的に守りに入って“ミスを願う”という最安全策を取りに行くのは人の性なのでしょうか。
『窮鼠猫を嚙む』ということわざがある通り、隅に追いやられたネズミは一撃の反撃に全てをかけてきます。
繋ぐだけのこちらの球を決めて来る可能性が非常に高いということです。
そして、一度マッチポイントを守ってしまえば、勝利を逃した方と敗北から逃れた方とで、メンタルの立場が逆転してしまうのです。
さらに、調子に乗ってより攻撃的になるネズミの前に、猫は呆然としてしまい、その隙にまんまとネズミに逃げ果せられてしまい、ネズミの勝利で試合は終わります。
こうならないためにはどうすれば良いか。
それはただ1つ。
もうわかりますね。
マッチポイントでもしっかりとリスクをとって攻め切ると“決める”ことです。
もうそうすることにすると“決める”のです。
考えない。決める。
決定事項ですので、逆らえません。
もしかしたら、攻めたことが原因でミスって負けることもあるかもしれない。
しかし、同じ負けるにしても、きちんと攻めて負けることで、一生の悔いに残るような想いを少しでも減らすことができる。
少なくとも、マッチポイントを逃して負けた時に、
下手につないで相手に決められたことを悔いて、「あそこで攻めていたらな」と思うのと、
果敢にリスクを取った結果カウンターなどを喰らって、「あそこでつないどけばよかった」と思うのとでは、後悔の“質”が全然違うのです。(私の経験談ですが)
前者はずっと「あの時もう少し勇気があれば、、」うじうじと悩むのに対して、後者は、「まあ、やることはやったからいいや」と前を向くことができるのです。
ちょうど、片想いの子に気持ちを伝えずに終わったか、きちんと告白してけじめをつけたかの気持ちの違いに似ていますね。
『やらぬ後悔よりやる後悔』。
行動した者のみが満足感達成感を得ることができます。
負けたとしても、マッチポイントで攻撃的になることができた。
想い通りにプレーできた。
俺はやる時にはやる漢だ。
この結果自体が日常生活のいたるところで、あなたを支える自信となることは間違いありません。
なんだか、自己啓発的な内容になってしまいましたが、『マッチポイントでもリスクを取って攻めると決める。』
このマインドセットを大切にしましょうというお話でした。
(フェデラーとキリオスの試合どこいった笑)
fin.